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【陸自ハイチ奮闘記】先人の偉大な財産を引き継ぐ「日本人として誇りある仕事をしたい」(産経新聞)

 今年1月、大規模地震で大きな被害を受けたハイチ共和国で、陸上自衛隊北部方面隊(総監部・札幌市)の約350人が、3月19日から「ハイチ派遣国際救援隊」の2次要員として、復興支援活動にあたっている。ハイチ派遣隊広報官の小松次一・2佐(54)が4月に続き、現地での活動の様子を産経新聞に寄稿した。

 ■先人の偉業に感謝する

 日本隊が宿営しているキャンプ・チャーリーは、ハイチの首都ポルトープランスの空港から車で約15分ほどの郊外にあります。

 日本隊が来る前からブラジル、チリ、エクアドル、ボリビア、ネパールの部隊が駐屯しており、間もなく、ペルー隊も駐屯してきます。

 日本隊が最初にハイチに入ったときに、宿営地を整備してくれたのはブラジル隊でした。

 サッカーのワールドカップを制する強豪、ブラジル。軍人もサッカーが大好きなようで、ブラジル隊の宿営地にはサッカー場があります。

 「日本はサッカーをやらないのか」

 「やっている」

 「そうだろう。日本の自衛隊のコーチは誰だ」「ジーコがやっているのか」

 「ジーコのわけないよな」「彼はいい選手で、いいコーチだ」と親しみをこめた会話をブラジル隊の兵士とすることもあります。

 ブラジルの将兵は、日本に対して、親近感と尊敬の念を抱いていることを強く感じます。日本に対する尊敬は、「勤勉で、誠実、清廉、礼儀正しい」というところに起因すると聞きました。

 これは、われわれの先人である日本人の移住者が、南米の地において、日本人らしさを失わずに働き、それぞれの地域に根付いた結果だと思います。

 異国の地において、われわれの先人たちは、日本と大きく異なる環境、厳しい条件の中で、「勤勉、誠実、清廉、礼儀正しい」姿で、地元の人たちと接してきたのでしょう。そして、地域の人たちの尊敬と信頼を勝ち取っていたのです。

 先人の偉業、血と汗と涙の結晶が、われわれが他国の軍隊から尊敬を受けるという財産となって残されていることに感謝しなければなりません。

 われわれの活動は、ハイチ全体の被害から見れば、微々たるものかもしれません。しかし、ハイチの復興のための一歩になっていることは間違いないと信じています。

 ハイチ派遣国際救援隊の隊員のひとりは、「先人の残してくれた偉大な財産を後世に引き継ぐためにも、日本人として誇りある仕事をしたい」との気持ちを日々新たにしています。

 ■日本の心、子供たちに届け

 ハイチ派遣国際救援隊は、5月8日、ハイチとドミニカを結ぶ道路の沿いにあるマルパセ地区のエタン湖の湖岸に位置している集落で、文化交流活動を行いました。

 ハイチとドミニカを結ぶ主要幹線の護岸工事・道路補修は、3月29日から行われています。

 作業を行う隊員たちが往復する際に手を振って、声をかけてくれたり、作業現場に遊びに来てくれる子供たちがいます。

 「このような子供たちと交流を図りたい」という声が救援隊の中からわいてきました。

 救援隊は、5月8日早朝、宿営地を出発し、現地到着後、直ちにこいのぼりをあげました。

 澄み切った青空に、こいのぼりが泳ぐなか、総勢約60人が参加して、日本文化の紹介として、武道展示・体験、書道体験、慰問品のプレゼントなどを行いました。 

 子供たちは、武道展示の少林寺拳法、柔道の妙技に目を見張っていました。

 武道の体験では、柔道の有段者の隊員を投げ飛ばす子供たちの姿に、周囲の大人たちからも大歓声があがったほどです。

 書道体験では、心静かに筆を動かし、見事な字を披露しました。

 現地の子供たちからは救援隊に対し、合唱のプレゼントがありました。現地の子供たちの歌声は、エタン湖を渡る風になって隊員の心を和ませたのです。

 隊員たちの多くは、現地の子供たちと、日本で帰りを待つわが子の姿を重ね合わせ、優しいまなざしを送っていました。

 現地の少年は、メディアの質問に対して「日本の文化を学べてうれしい、来年もやってほしい」と話していました。

 救援隊は、現地の人たちとのきずなを胸に支援活動に邁進(まいしん)しています。(ハイチ派遣国際救援隊広報官、小松次一・2佐)

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